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自己責任とかそういうやつ

罠

最近は世知辛い世の中で、何かの悪巧みに引っかかると「だまされる方が悪い」「盗られる方にも責任がある」みたいないわれ方をされます。

いえもちろん、人間いろんなことを予測し様々なトラブルを未然に防ぐのは、動物として持っていなきゃいけない嗅覚・スキルなんでしょうが、何でもかんでもその一言で片付けられるとやるせないですね。

例えば最近、年金の問題で、受理していない入金記録が5000万件あるとかないとかってニュースが流れていますが、これなんて自己責任で片付けられるもんなんでしょうか?
何かの番組で、年金額を不当に減らされた人が役所におかしいと話をしにいったら、「ああ、記録無いから対応できないよ。払い損だね」と追い返されたそうな。

もちろん被害にあった側の意見なので、役所は役所で言い分はあるのでしょうが……。
年金ってフツーに考えると、お金出してるんだから、払ってる側は客のはず。
しかも半強制的に払わされているものです。
客商売で「え?うちのメシ食って腹壊したって? 証拠ないでしょ? おら知らねえよ。あ、でも明日からも毎日かならずうちで食事していけよ。じゃないとおたくの資産を凍結しちゃうよ」なんていっていたら、遅かれ早かれその店、つぶれちゃいます。

あ、だから社会保険庁ってつぶれかけなのか。
グリーンピアとか今、どうなんてんでしょうね、良く知らないけど。

あたりまえだけど、「なんでも自己責任だよね」という意見がはびこって得するのは、責任ある立場にいる人たちです。
自己責任、というとなんだかクールでかっこよく見えますが、責任が発生する側には良い言い訳として利用されるはずです。
そもそも政府や役所なんて、保険料だなんだ以前に税金で成り立ってんだから、なおさら「年金手帳がどうだ」「入金記録がどうだ」って不備だらけの仕組みを盾にとって言い訳しちゃだめですよね、ふうむ。

自分の弱さを認めるのは嫌なことですが、庶民は庶民なりに、自分たちの立場の危うさを知った上で訴えるべきことは訴えれる雰囲気であったほうがいいような気がします。
(なんでもかんでも「お上のすることは……」というのもあれですが)。

あと、自己責任とちょっとちがうかもしれませんが、女性が乱暴されるニュースなどが流れると、セットで耳にする言葉で、「そんな格好してるから襲われるんだ、しかも夜道を一人で歩くなんて。襲われる側にも問題ある」的な話って、なんか言い分としてオシャレじゃないなあ、といつも思っていたり。
原因は結果を生み出した人間が持っているもの、それを自己以外に見出すというのは、犯罪云々ぬきにしても一己の人間としてナサケナイですね。

なんというか、「なんだ、おめーは裸同然の格好してる女が歩いてたらなんでもかんでも襲っちゃうのかよ、ならマネキンとでもやってりゃいいじゃねえか」みたいな。
人間、鳥や魚じゃないんだから、脊髄反射に行動の因果を任せるなんてちんけなことをせず、自分の行動の原因くらい自分に見出しましょうよ、と思うわけなのです。

だからこのブログ読んでいる方で万が一、婦女暴行なんかしちゃった人はぜひこう言ってください、「あの女性は大変美しく、私の欲望は理性を超越したので襲いました」
うん、これだと潔い感じがしますね。
それ以前に婦女を暴行しちゃいけないですけど。

あ、そういえば一番上のだらしないコミックですが、こういうパターンも、よく悪人の言い訳に使われそうですね。
自分でわざと肩ぶつけておきながら、「おめえ、ぶつかってきたな」みたいな。
あと、美人局とかね。
ふうむ、そっか、社会保険庁ってそんなレベルってことかいな、なさけない。

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