« 全国未亡人連合-第五章・作法- | メイン | 全国未亡人連合-画廊・月夜- »

全国未亡人連合-画廊・空へ-

(解説)夏、僕は未亡人と向日葵の咲く岡を歩いていた。

夏はあまりに熱を帯び、向日葵の黄をより艶やかに照らし出していた。

丘陵がぼやけて見えた、僕はずいぶん、遠くに来たんだと、実感した。

ねえ、こっちよ。未亡人が呼んでいる。振り向くと、彼女は跳ね水のように軽やかに花の中を舞っていた。

それは少女のようであり、幼き日に残した僅かな記憶を呼び覚ましているようにも見えた。

未亡人は跳ねながら、笑顔で言った、

「ねえ、私はまだ、飛べるはずよね。きっと・・・」

それが何を意味しているかは分からなかった。ただ彼女を見ていると、そのまま飛びたてるかもしれない、そんな気がした。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.w-room.net/mt/mt-tb.cgi/44

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

2010年04月

        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  

最近のコメント

Powered by
Movable Type 3.34